いじめ防⽌に関する本校の考え⽅
基本理念
いじめは、その⼦どもの将来にわたって内⾯を深く傷つけるものであり、⽣徒の健全な成⻑に影響を及ぼす、まさに⼈権に関わる重⼤な問題⾏為である。全教職員が、いじめはもちろん、いじめをはやし⽴てたり、傍観したりする⾏為も絶対に許さない姿勢で、どんな些細なことでも必ず親⾝になって相談に応じることが⼤切である。そのことが、いじめ事象の発⽣・深刻化を防ぎ、いじめを許さない⽣徒の意識を育成することになる。そのためには、学校として教育活動の全てにおいて⽣命や⼈権を⼤切にする精神を貫くことや、教職員⾃⾝が、⽣徒の⼈格の健やかな発達を⽀援するという⽣徒観、指導観に⽴ち指導を徹底することが重要となる。
本校では、「世に役⽴つ⼈物の養成」を建学の理念とし、その具体的な⼈物像として「思いやりと礼節」「基礎的実学」「柔軟な思考⼒」「楽しい⽣き⽅」の4本柱を⽰し、これら、知・徳・体の調和のとれた⼈格の形成をめざし「学⼒の充実と豊かな⼈間性・⽣きる⼒の育成」を⽬標に、⽇々の教育活動の中で実践を重ねてきた。「世の中に役⽴ってこそ、⼈⽣は本当の意味で幸福である」と確信し、実学としての学⼒や技術の習得にとどまらず、⼈格を育む⼼の教育を実践してきた。私たちはこの理念に基づき、ここに学校いじめ防⽌基本⽅針を定めるものである。
いじめの定義
「いじめ」とは、⽣徒に対して、本校に在籍している等当該⽣徒と⼀定の⼈的関係のある他の⽣徒が⾏う⼼理的⼜は物理的な影響を与える⾏為(インターネットを通じて⾏われるものも含む。)であって、当該⾏為の対象となった⽣徒が⼼⾝の苦痛を感じているものをいう。具体的ないじめの態様は、以下のようなものがある。
- ・冷やかしやからかい、悪⼝や脅し⽂句、嫌なことをいわれる
- ・仲間はずれ、集団による無視をされる
- ・軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする
- ・ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする
- ・⾦品をたかられる
- ・⾦品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする
- ・嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする
- ・パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる 等
いじめ防⽌のための組織
名 称 |
いじめ対策委員会 |
構成員 |
教頭、生活指導部長、人権教育推進委員長、各学年主任、養護教諭、相談員 |
役 割 |
- ア 学校いじめ防止基本方針の策定
- イ いじめ未然防止
- ウ いじめの対応
- エ 教職員の資質向上のための校内研修
- オ 年間計画の企画と実施
- カ 年間計画進捗のチェック
- キ 各取組の有効性の検証
- ク 学校いじめ防止基本方針の見直し
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取組状況の把握と検証(PDCA)※
いじめ対策委員会は、各学期の終わりなどに検討会議を⾏い、取組みが計画通り進んでいるか、いじめの対処がうまくいかなかったケースの検証、必要に応じた学校基本⽅針や計画の⾒直しなどを⾏う。
※PDCAサイクル
Plan(計画) Do(実行) Check(検証・評価) Action(改善)
の4段階を繰り返すことによって、取り組みを継続的に改善するプロセス。
いじめ防⽌
基本的な考え⽅
いじめの未然防⽌にあたっては、教育・学習の場である学校・学級⾃体が、⼈権尊重を徹底し、⼈権尊重の精神がみなぎっている環境であることが求められる。そのことを基盤として、⼈権に関する知的理解及び⼈権感覚を育む学習活動を各教科、道徳、特別活動、総合的な学習の時間のそれぞれの特質に応じ、総合的に推進する必要がある。
特に、⽣徒が、他者の痛みや感情を共感的に受容するための想像⼒や感受性を⾝につけ、対等で豊かな⼈間関係を築くための具体的なプログラムを作成する必要がある。そして、その取組みの中で、当事者同⼠の信頼ある⼈間関係づくりや⼈権を尊重した集団としての質を⾼めていくことが必要である。いじめ問題においては、未然防⽌に取り組むことが最も重要である。そのためには、「いじめは、どの学級にも学校にも起こり得る」という認識をすべての教職員が持って取り組む必要がある。
いじめ防⽌のための措置
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(1)平素からいじめについての共通理解を図るため、教職員はいじめ問題について、以下の①〜⑧の項⽬を明確に認識しておく必要がある。
- ① いじめはどの生徒にも、どの学校にも起こり得るものである。
- ② いじめは人権侵害であり、人として決して許される行為ではない。
- ③ いじめは大人には気付きにくいところで行われることが多く発見しにくい。
- ④ いじめはいじめれられる側にも問題があるという見方は間違っている。
- ⑤ いじめはその行為の態様により暴行、恐喝、強要等の刑罰法規に抵触する。
- ⑥ いじめは教職員の生徒観や指導の在り方が問われる問題である。
- ⑦ いじめは家庭教育の在り方に大きな関わりを持っている。
- ⑧ いじめは学校、家庭、地域社会などすべての関係者がそれぞれの役割を果たし、一体となって取り組むべきである。
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(2)いじめに向かわない態度・能⼒を育成するために、⾃他の存在を認め合い、尊重し合える態度を養うことや、児童⽣徒が円滑に他者とのコミュニケーションを図る能⼒を育てることが必要である。
そのために、教職員が⽣徒たちに愛情を持ち、配慮を要する⽣徒たちを中⼼に捉えた、温かい学校運営や教育活動を展開していく。これにより、⽣徒たちの⾃⼰の居場所を獲得し充実感を味わうことができる。その上で、授業をはじめ学校⽣活のあらゆる場⾯において、他者と関わる機会を⼯夫し、それぞれの違いを認め合う仲間づくりをしていく。
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(3)いじめが⽣まれる背景を踏まえ、指導上の注意としては、教職員の何気ない⾔動が、⽣徒を傷つけ、結果としていじめを助⻑してしまう場合があることを理解しておく必要がある。⼀⽅で、教職員の温かい声掛けが、「認められた」と⾔う⾃⼰肯定感につながり、⽣徒たちを⼤きく変化させることも理解しておかなければならない。
分かりやすい授業づくりを進めるために、教職員間で互いの授業を⾒学し合い、意⾒交換をしていくことが⼤切である。それには、互いに尋ねたり、相談したり、気軽に話ができる職員室の雰囲気も⼤切である。その上で、すべての⽣徒が参加・活躍できるように授業を⼯夫していく。
⽣徒⼀⼈⼀⼈が活躍できる集団づくりを進めるために、規律ある態度で授業や⾏事に主体的に参加・活躍できるようにしていき、⽣徒に集団の⼀員としての⾃覚や⾃信を育んでいく。
ストレスに適切に対処できる⼒を育むために、コミュニケーション能⼒を⾼め、互いを認め合える⼈間関係を築いていくことが⼤切である。
いじめを助⻑するような教職員の不適切な認識や⾔動等、指導の在り⽅に注意を払うため、⽣徒への声掛けが⾃尊感情を傷つけていないか、集団の中で浮いた存在にしていないか等を、教職員が互いに意⾒を⾔い合えることが⼤切である。
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(4)⾃⼰有⽤感や⾃⼰肯定感を育む取組みとして、授業や⾏事において、⽣徒を認める多様な視点を堅持していくことが⼤切である。そのためには、⽣徒⼀⼈ひとりの様⼦をしっかり観察し、声掛けのタイミングを⾒逃さないようにすることである。
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(5)⽣徒が⾃らいじめについて学び、取り組む⽅法として、HRにおいて具体的な事例を紹介し、⾃分がその⽴場においてどのような⾏動をとるべきか、また、いじめに発展しないためにはどうすべきか等を考えさせていく。
早期発⾒
基本的な考え⽅
いじめの特性として、いじめにあっている生徒がいじめを認めることを恥ずかしいと考えたり、いじめの拡大を恐れるあまり訴えることができないことが多い。また、自分の思いをうまく伝えたり、訴えることが難しいなどの状況にある生徒が、いじめにあっている場合は、隠匿性が高くなり、いじめが長期化、深刻化することがある。
それゆえ、何気ない言動の中に心の訴えを感じ取る鋭い感性、隠れているいじめの構図に気づく深い洞察力、より良い集団にしていこうとする強い意志と行動力が求められる。
生徒が示す小さな変化や危険信号を見逃さないために、休み時間や昼休み、放課後の雑談等の機会に、生徒の様子に目を配る。生徒とともに過ごす機会を積極的に設けることが大切である。
担任や教科担当が互いに気になる状況があれば、些細なことでも必ず情報交換し、生徒への理解を共有することが大切である。
いじめ早期発⾒のための措置
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(1)実態把握の⽅法として、定期的なアンケートを年3回実施する。
定期的な教育相談としては、教育個⼈懇談が挙げられる。また、⽇常の観察として学級内及び⽣徒たちのグループや⼈間関係がどうであるかという点に気を付けて観察し、遊びやふざけに⾒える事柄についても教員間で情報の共有をしていくことも⼤切である。
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(2)保護者と連携して⽣徒を⾒守るために、⽇ごろから⽣徒の良いところや気になるところ等学校での様⼦について連絡しておく必要がある。
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(3)⽣徒、その保護者、教職員が、抵抗なくいじめに関して相談できる体制として、⽇ごろから声掛け等により、良好な⼈間関係を築いておくことが⼤切である。また、些細な情報であってもきちんと対応し、担任だけでなく、学年集団として共有することも⼤切である。
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(4)保護者会等で何かあれば担任もしくは教職員に気軽に相談してほしいことを繰り返しアナウンスすることで、相談体制を広く周知する。
定期的なアンケート等により、適切に機能しているかなど、定期的に体制を点検する。
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(5)教育相談等で得た⽣徒の個⼈情報については、その対外的な取り扱いは、個⼈情報保護法に沿って適切に対応し、管理する。
いじめに対する考え⽅
基本的な考え⽅
いじめにあった⽣徒のケアが最も重要であるのは当然であるが、いじめ⾏為に及んだ⽣徒の原因・背景を把握し指導に当たることが、再発防⽌に⼤切なことである。近年の事象を⾒るとき、いじめた⽣徒⾃⾝が深刻な課題を有している場合が多く、相⼿の痛みを感じたり、⾏為の悪質さを⾃覚することが困難な状況にある場合がある。よって、当事者が⾃分の⾏為の重⼤さを認識し、⼼から悔い、相⼿に謝罪する気持ちに⾄るような継続的な指導が必要である。いじめを受けた当事者は、仲間からの励ましや教職員や保護者等の⽀援、そして何より相⼿の⾃⼰変⾰する姿に、⼈間的信頼回復のきっかけをつかむことができる。
そのような、事象に関係した⽣徒同⼠が、豊かな⼈間関係の再構築をする営みを通じて、事象の教訓化を⾏い教育課題へと⾼めることが⼤切である。
いじめ発⾒・通報を受けた時の対応
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(1)いじめの疑いがある場合、早い段階から的確に関わる。そのため、遊びや悪ふざけなど、いじめと疑われる⾏為を発⾒した場合、その場でその⾏為を⽌める。また、⽣徒や保護者から「いじめではないか」との相談や訴えがあった場合には、真摯に傾聴する。その際、いじめられた⽣徒やいじめを知らせてきた⽣徒の安全を確保するよう配慮する。
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(2)職員は⼀⼈で抱え込まず、いじめの防⽌等の対策のための組織(いじめ対策委員会)と情報を共有する。その後は、該当組織が中⼼となって、速やかに関係⽣徒から事情を聞き取るなどして、いじめの事実の有無の確認を⾏う。
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(3)学校⻑は、事実確認の結果を学校の設置者に報告し、状況に応じて、⼤阪府教育庁私学課等の関係機関と相談する。
なお、被害・加害の保護者に連絡については、家庭訪問等により直接会って、より丁寧に⾏う。
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(4)保護者会等で何かあれば担任もしくは教職員に気軽に相談してほしいことを繰り返しアナウンスすることで、相談体制を広く周知する。定期的なアンケート等により、適切に機能しているかなど、定期的に体制を点検する。
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(5)学校の指導により、⼗分な効果を上げることが困難な場合、また、いじめが犯罪⾏為として取り扱われるべきものと認められるときは、いじめられている⽣徒を徹底して守り通すという観点から、所轄警察署と相談し、対応⽅針を検討する。
なお、⽣徒の⽣命、⾝体または財産に重⼤な被害が⽣じる恐れがあるときは、直ちに所轄警察署に通報し、適切に援助を求める。